| 本格焼酎の人気の根源については、消費者それぞれに理由が異なりますが、焼酎の魅力の要件を分析すると、品質要件、健康要件および若者要件の三要件に大別されます。ここでは、これらの要件を構成する内容について説明します。
(一)品質要件
1.風味のバラエティ
本格焼酎の風味は、原料の種類による特徴のほかに、麹菌や酵母など微生物の種類や単式蒸留機(ポットスティル)の性能、製品の精製法、熟成方法など製法上の違いにより風味が多様化するために、酒類の中では最も風味のバラエティに富んだ酒といえます。
2.原料イメージ
本格焼酎の原料は、麹原料と主原料に分けられ、麹原料は焼酎の種類に共通して米か麦かが使われますが、主原料は焼酎の種類により異なり、例えば主原料に米を使うと米焼酎と呼び、また甘藷(芋)を使うと甘藷焼酎と呼んでいます。本格焼酎の個性は、使用する原料の種類に基づいて形成されるので、魅力の要件として、原料イメージは非常に重要であるといえます。
3.ローカル・カラー
同じ原料を使っても、焼酎の風味は地域ごとの個性(ローカル・カラー)があります。例えば、同じ米を原料とする米焼酎でも、沖縄で造られる泡盛と九州の熊本で造られる球磨焼酎とでは風味が全く異なります。同様に甘藷焼酎や麦焼酎についても、産地による風味の個性がそれぞれ異なっています。
4.エイジング(熟成)
醸造酒、蒸留酒を問わず、酒類の風味形成に熟成が重要な役割を演じます。特に、本格焼酎などの蒸留酒は、熟成の効果が非常に大きいと言えます。伝統的な熟成法としては、沖縄の泡盛に代表されるカメ熟成が有名ですが、その他の容器による熟成法も多くの焼酎蔵で普及しており、最近ではカシ樽で熟成させた琥珀色(黄褐色)の焼酎も人気を博しています。
(ニ)健康要件
本格焼酎の健康に関する特徴をあげると、1.飲み方とアルコール度数の自由度が大きいこと、2.ツマミとしての料理の種類の選択幅が広いこと、3.焼酎はエキス分が非常に少なく、お湯割りや水割りで薄めてのむため、酔いざめがすこぶる爽やかであること、4.本格焼酎の主産地は沖縄と九州であるため、南国的な健康イメージが強いことなどです。
(三)若者要件
人間的に疎外観の強い現在の社会で、若者たちは、心の潤いやコミュニケーション、旧来の価値観からの脱却、旅のロマン、などを強く求めていると言えます。本格焼酎は、まさに若者の追い求めている要件を満たす酒であると言えるでしょう。 |